前身は【プロ講個別】という個別指導塾の<公務員受験コース>です。これから分離・発展したものです。もちろん自衛隊員も役所の職員も国民、市民への奉仕者たる公務員であることに相違はございませんが、その任務の質と重みは異なります。また、自衛官は警察官や消防官等と較べますと、殉職を伴う真剣勝負の任務であることは一致しますが、入試対策においては、これは分離した方が効率が良いと判断いたしました。
よって、自衛官を志望する方のコースを一般の公務員受験コース及び警察官、消防官の受験コースとは分離、独立させました。さらに、これに伴い、一般の公務員コースと警察官、消防官のコースは廃止しました。つまり、自衛官専門の予備校として再出発を致しました。これが、大胆にも【防衛予備校】を名乗らせていただいた理由でございます。もちろん、本校は自衛官と警察官や消防官を併願する生徒を排除するものではございません。
尚、本校の教室は当分の間は、運営母体である【臨床アカデミー】の教室を利用いたします。将来的には、臨床アカデミーのようにターミナル駅に教室を展開することも、あるいは、自衛隊の基地がある地域に教室を開校することも考えています。
校長の私は、個人としましては家族、兄弟、親戚、友人にいたるまで自衛隊の関係者はひとりもいません。また、自衛隊や旧日本軍の車両、艦船、航空機、銃火器等のマニアではございませんし、戦記文学、戦争映画、戦争ゲーム、プラモデル等の類にはほとんど興味はございません。どちらかというと、戦後の偏向した教育労働者によって自衛隊悪玉論に洗脳されて、そのように信じていた世代でございます。
では、なぜ、そのような者が自衛官を志望する若人のための予備校を開いたのか。
まず第1の理由は、たくさんの生徒を獲得するためにあらゆるジャンルの公務員の志望者を寄せ集めて指導するよりも、入試対策においては、専門予備校として的を絞った方が効率がよく、よって受験生にとっては、有利になると判断したからです。
第2の理由は、同じ志を持つ者が同じ教室で学ぶということにはきわめて教育的な効果があると判断したからです。医療系の専門予備校である【臨床アカデミー】は、将来医療系の専門職に就くことを決意している高校生や20代、30代の社会人が切磋琢磨しながら学んでいます。特に社会人として正社員、あるいはアルバイターとして仕事をしながら、大変な思いをして勉強をするには仲間が必要です。
翻ってみて、自衛官を志望する人のための教育環境はどうでしょうか。公立学校の教員の中には、いまだに自衛隊に偏見、敵意を抱いているものがあるようです。また、自衛官を志望する生徒がいる予備校の教室でも、 神学論争的な自衛隊違憲論なり、誰かのマネの殺人装置論なりを得意げに喧伝している講師も存在すると聞いています。 指導者が生徒をいじめるような教室は、まともな教育環境ではありません。このような教育労働者に限って、自分自身の人権や思想・良心の自由を声高に謳っているのかもしれません。
3番目の理由は、自衛官志望者のための専門予備校を開校すれば、徐々に自衛隊への注目が高まり、潜在的な受験生をも堀り起こす一助になることとなり、結果的により優秀な若者が自衛官に採用されるようになるからです。
これは、医療系の予備校が増加することによって、受験生のレベルを向上させていることと同じ原理です。もちろん、受験生が増加したから予備校が増加したことには違いございませんが、<看護予備校>の存在を知ることによって、世間の人々は、<ナースになるのも大変なんだ。>と認識を改めるのでございます。
とにかく、たくさんの若者が学校で、あるいは親戚や近隣の方に対して自分が自衛官をめざすことを堂々と宣言できるような環境を整えなくてはならないと思います。そのためには、優秀な自衛官が国防を担うということは、結局は私たち国民にとっての大いなる利益となることを啓発しながら、防衛予備校を一歩ずつではございますが、堅固な牙城へと構築してゆく決意でございます。
防衛予備校 校長 金澤和春